近年急速に浸透しつつあるシェアリングエコノミーを地方創生に役立てようという動きが進んでいる。シェアリングエコノミーといえばカーシェアリングやスペースマーケットのような部屋などのシェアが真っ先に思いつくだろうが、時間、スキルなどをシェアするサービスもある。ではそのようなサービスがどのように地方創生と結びついていくのだろうか。
「シェアリングシティ」の導入
都心に比べはるかに人材や施設が少ない地方では、シェアリングエコノミーによって遊休資産を有効活用することでこの問題を解決しようとしている自治体がある。この自治体をシェアリングシティと呼び、シェアリングエコノミー協会ではシェアリングシティの認定も行っている。
地方創生に役立てられているシェアリングエコノミーの例
それでは具体的な例をみていこう。
秋田県湯沢市
湯沢市は株式会社AsMamaと連携し、子育てのシェアリングを行っている。地域の方々で子育ての負担をシェアし、親御さんの負担を軽減することで、少子化、そして子育てのしやすい街であるとしてお子さんのいる家庭の人口流出を食い止めようとしている。
図1
佐賀県多久市
人口減少が続き、それに伴い仕事も減少しつつある多久市では、日本最大級のクラウドソーシングサービスであるクラウドワークスとともに、在宅ワークを仲介する「ローカルシェアリングセンター」を開設。人口減少→仕事減少→人口流出という負のスパイラルを断ち切るためにシェアリングサービスを利用しているのだ。
おわりに
シェアリングサービスを自治体で導入することがその地域の魅力へとつながり、人口流出を防ぐだけでなく、地域コミュニティの形成にもつながる。しかも今ある資産を有効活用するので、コストもそこまで高くない。これからはシェアリングサービスを自治体が利用しやすい法整備が重要になってくるだろう。
参考
図1 株式会社AsMama(http://www.asmama.co.jp/)