コラム

最新うつ病治療にRPGゲーム導入か?

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うつ病の増加と対処について

うつ病という言葉は皆さん聞いたことあるでしょう。現在の日本では、なんと15人に1人の割合でうつ病になったことがあるという調査があります。うつ病になって学校や職場を離れたり、自殺をしてしまったりという事件を耳にしたことがない人はいないのではないでしょうか。うつ病とは、それほど重要な問題なのです。しかし、うつ病になってしまった時に適切な対処をされない人はうつ病患者の内の4人に1人の割合でいると言います。うつ病になってしまう人がそう珍しくもなくなってしまった現在、うつ病に対してもっと考えるべきではないでしょうか。burnout-96856_960_720

ゲームを使ったうつ病治療

この状況を解決しようとして、RPGゲームで楽しくうつ病の治療法やリラックス方法を学んでもらうことを目指しているのがHIKARI Lab代表の清水あやこさんです。

 提供するゲーム「SPARX(スパークス)」は、ニュージーランドのオークランド大学で作られたものです。知らず知らずの内に生まれてしまう偏見などの偏った考えに気付かせて、より現実的な考え方を促す認知行動療法という治療法をゲームに応用していると言います。ゲームは七つのレベルに分かれた世界を多様なキャラクターたちと共に冒険するというストーリーで、それ自体でも十分に楽しむことができます。

 清水さんはSPARXの日本語版を開発しました。日本人に対してとっつきやすくするために、ニュージーランド版よりもキャラクターの目を大きくするなどの工夫をしています。さらに「精神的に不安定になるとどう自分が扱われるかに敏感になるので一言一句にこだわった」といいます。プレイヤーを引き込むためにため口で話し掛けるゲームもありますが、このゲームにおいては丁寧な口調を心掛けたそうです。また、原文の訳も「エネルギーがないと感じてしまいませんでしたか」では、エネルギーがあることを良いとする主観が入ると考え「エネルギーがないと感じたことはありましたか」などの中立的な表現を心掛けたそうです。

ダウンロード同時にオンラインで行うことができるビデオカウンセリングも立ち上げています。民間の心理カウンセラー養成学校では教育の質が低いことを自身の通学経験から感じていたことから、東大、早稲田大学などのトップ校で臨床心理学を学んだ心理士のみを採用しているとのことです。オンラインカウンセリングは他にもありますが、ここが他の会社と異なるのは事務所を持っていて、事務所のパソコンでカウンセリングを行うという点です。この狙いとしては、心理士の状態を確認できるから信頼性やサービスの質を保つことが可能であることだといいます。

今後は最新技術を生かして、普段の生活の中で受けることができる心理ケアのプログラムを自分たちで開発したいと言っています。