サービス産業生産性協議会(代表幹事:秋草 直之 富士通株式会社顧問)は、2015年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」調査にて調査・分析を行った全34業種432企業もしくはブランド(以下 企業・ブランド)の結果を取りまとめ、発表しました。
顧客満足分布図 業界横断
▽2015年度JCSI(日本版顧客満足度指数)年間発表 詳細・参考資料1~3
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/att_93434_1.pdf
▽2015年度JCSI(日本版顧客満足度指数)年間発表 各業種・業態別資料
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/att_93434_2.pdf
▽主な調査結果は以下のとおり
●企業・ブランド総合順位:劇団四季が2年連続の総合第1位。全6指標も1位。
第1位:「劇団四季」(エンタテインメント業種1位)
第2位:「宝塚歌劇団」(エンタテインメント業種2位)
第3位:「コープ共済」(生命保険業種1位)
「ヨドバシ.com」(通販業種1位)
第5位:「帝国ホテル」(シティホテル業種1位)
●業種比較結果(※):シティホテルについで旅行が高評価。
第1位:シティホテル
第2位:旅行
第3位:エンタテインメント
※各業種の「顧客満足中央値」(各業種内の中央順位の企業の指数)を比較
I.2015年度調査 総合比較
1.業種別の顧客満足比較
2015年度に実施した34業種の「顧客満足」は、下図の通りに分布しました。
各業種の状況を示す「中央値(>)」で比較すると、「シティホテル」「ビジネスホテル」「旅行」「エンタテインメント」「住設機器サービス」の5業種が高い評価となっています。また、各業種の顧客満足最高点で比較すると、「エンタテインメント」「生命保険」「通信販売」「シティホテル」の順に高くなっています。
業種・業態別の顧客満足分布(2015年度):https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_1.jpg
2.顧客満足上位50企業・ブランド
2015年度に調査を行った33業種の正規調査対象企業の中で、「顧客満足」が高く評価された上位50社(48位まで)です。旅行業種の企業・ブランドが8社ランクインし、最も多くなりました。
顧客満足上位50企業・ブランド(2015年度):https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_2.jpg
※網掛は各業種1位企業。※【自】:自動車保険
<5位まで抜粋>
1位(87.5):劇団四季 /エンタテインメント
2位(84.5):宝塚歌劇団 /エンタテインメント
3位(81.9):コープ共済 /生命保険
:ヨドバシ.com/通信販売
5位(80.9):帝国ホテル /シティホテル
3. 6指標の上位企業・ブランド
JCSIで指数化する6つの各指標における上位企業・ブランドは以下の通りです。
[顧客期待:企業・ブランドへの期待]
サービスを利用する際に、利用者が事前に持っている企業・ブランドの印象や期待・予想を示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(85.5):劇団四季 /エンタテインメント
2位(82.6):帝国ホテル/シティホテル
3位(81.2):宝塚歌劇団/エンタテインメント
<グラフ(上位10位)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_3.jpg
[知覚品質:全体的な品質評価]
実際にサービスを利用した際に感じる、品質への評価を示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(85.4):劇団四季 /エンタテインメント
2位(81.3):宝塚歌劇団/エンタテインメント
3位(81.2):帝国ホテル/シティホテル
<グラフ(上位10位)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_4.jpg
[知覚価値:コスト・パフォーマンス]
受けたサービスの品質と価格とを対比して、利用者が感じる納得感、コストパフォーマンスを示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(83.3):劇団四季 /エンタテインメント
2位(80.4):コープ共済/生命保険
3位(79.2):宝塚歌劇団/エンタテインメント
QBハウス /生活関連サービス
<グラフ(上位10位)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_5.jpg
[顧客満足]
利用して感じた満足の度合いを示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(87.5):劇団四季 /エンタテインメント
2位(84.5):宝塚歌劇団 /エンタテインメント
3位(81.9):コープ共済 /生命保険
ヨドバシ.com/通信販売
[推奨意向:他者への推奨意向]
利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうかを示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(79.5):劇団四季 /エンタテインメント
2位(77.4):帝国ホテル /シティホテル
3位(74.8):東京ディズニーリゾート/エンタテインメント
<グラフ(上位10位)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_6.jpg
[ロイヤルティ:将来の再利用意向]
今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかなどの再利用意向を示します。
<抜粋(上位3位)>
1位(75.3):劇団四季 /エンタテインメント
2位(73.4):クックパッド/インターネットサービス
3位(72.9):オーケー /スーパーマーケット
<グラフ(上位10位)>
https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_7.jpg
4.感情指標の上位企業・ブランド
JCSI調査では、6指標の算出に用いる21設問のほかに、計100問程度の設問で、各企業・ブランドを多角的に調査しています。ここではそのうち、感情指標(感動指標、失望指標)で良い評価を受けた企業を紹介します。
[感動指標:感動に関する経験]
「該当企業・ブランドを利用した際に感動や驚くような経験をどの程度したか」によって算出される指標です。指標が高いほど「感動経験が多い」ため、良い評価となります。
エンタテインメントが上位を占め、旅行、シティホテルも多くの企業・ブランドがランクインしました。
<抜粋(上位5位)>
1位(84.8):劇団四季 /エンタテインメント
2位(81.9):宝塚歌劇団 /エンタテインメント
3位(79.2):東京ディズニーリゾート /エンタテインメント
4位(74.5):ユニバーサル・スタジオ・ジャパン/エンタテインメント
5位(64.1):クラブツーリズム /旅行
[失望指標:失望に関する経験]
「該当企業・ブランドを利用した際に幻滅・がっかりするような経験をどの程度したか」によって算出される指標です。指標は、高いほど失望経験が多く悪い評価になります。逆に低い(経験が少ない)ほど良い評価になります。
通信販売が上位を占めましたが、クレジットカード、生命保険、ビジネスホテルも多くの企業・ブランドがランクインしています。
<抜粋(上位5位)>
1位(6.3):FANCL online /通信販売
2位(7.2):コープ共済 /生命保険
3位(7.8):オルビス /通信販売
4位(7.9):劇団四季 /エンタテインメント
5位(8.1):サントリーウエルネスOnline/通信販売
5.利用者から見たCSR指標の上位企業・ブランド
JCSI調査で6指標と別に調査している項目のうち、利用者から見たCSR指標にて良い評価を受けた企業を紹介します。住設機器サービス業種から4企業・ブランドがランクインし、最も多くなりました。
<抜粋(上位5位)>
1位(69.3):Panasonic /住設機器サービス
2位(67.0):コープ共済 /生命保険
3位(66.9):劇団四季 /エンタテインメント
4位(66.7):帝国ホテル /シティホテル
5位(66.6):大阪ガス /住設機器サービス
6.顧客満足評価が高い参考調査企業・ブランド
2015年度調査の参考調査対象のうち、顧客満足が業種中央値を上回った企業・ブランドは以下の通りです。参考調査対象全40企業・ブランドのうち、24企業・ブランドが業種中央値以上となっています。
詳細: https://www.atpress.ne.jp/releases/93434/img_93434_8.jpg
※【自】:自動車保険 【住】:住宅火災保険
II.調査方法
1.調査時期と対象業種、回答者数
2015年度は、下記の時期に6回に分けて調査を実施しました。
<第1回>
調査・発表時期:2015年4月(6月10日発表)
回答者数 :20,126人
対象業種 :コンビニエンスストア、シティホテル、ビジネスホテル、
飲食、カフェ、事務機器
<第2回>
調査・発表時期:2015年6月(7月29日発表)
回答者数 :23,047人
対象業種 :自動車販売店、通信販売、銀行、証券、
(特別調査:ノンバンク)
<第3回>
調査・発表時期:2015年7月~8月(9月30日発表)
回答者数 :11,305人
対象業種 :エンタテインメント、携帯電話、宅配便、生活関連サービス、
インターネットサービス
<第4回>
調査・発表時期:2015年8月~9月(11月4日発表)
回答者数 :27,616人
対象業種 :スーパーマーケット、衣料品店、サービスステーション、
旅行、国際航空、国内長距離交通、教育サービス
<第5回>
調査・発表時期:2015年9月~11月(12月16日発表)
回答者数 :21,299人
対象業種 :家電量販店、生活用品店/ホームセンター、各種専門店、
生命保険、損害保険(自動車/住宅・火災)、
クレジットカード
<第6回>
調査・発表時期:2015年11月~12月(2月3日発表)
回答者数 :19,392人
対象業種 :百貨店、ドラッグストア、近郊鉄道、フィットネスクラブ、
住設機器サービス
全6回調査
調査対象 :計432企業・ブランド(うち正規調査対象386企業・ブランド)
総回答者数:のべ122,785人
2.調査方法
インターネット・モニターを用いた調査 (2段階にて回答者を抽出)
(1) 第1次抽出:調査会社のモニターを用いて、性別、年齢別、地域別の人口構成に配慮した形で約15~25万人より利用経験の有無についての回答を得ました。
(2) 第2次抽出:上記の第1次抽出の回答が選定条件(「参考資料3」参照)に当てはまる方から無作為に抽出した各対象450~800人程度に、サービスに対する具体的な評価について回答を依頼しました。回答依頼は1人につき1企業・ブランドのみとしております。
3.設問項目
約110問(業種により設問数は異なります。「参考資料2」参照)
JCSIの共通設問は21問で構成。各指標に対応する設問は3~4問で、各設問は10段階評価(ロイヤルティは7段階評価)。
4.指数化の方法
顧客満足をはじめとした6つの指標(「参考資料1」参照)は、設問回答から計算し、100点満点で指数化しました。各指標はそれぞれ7または10点満点の複数設問で構成され、「すべてを満点とした」場合に100点、「すべてを1点とした」場合に0点としました。