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日本の夏は母国より暑い!

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連日暑い日が続いておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか。
さて、インバウンド・マーケティングが声高に叫ばれ、各地方でDMO組成の動きや回遊性を高めるための施策がうたれている中
在留外国人向けの調査レポートがありましたので、ご参考までに紹介します。

この湿度どうにかしないとダメみたいです…。

一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川裕己)が推進する「熱中症ゼロヘ」プロジェクトは、日本の夏(6~9月)を経験したことがある20~59歳の在留外国人男女200名を対象に、「日本の暑さに関する調査」を実施いたしました。

■「日本の暑さに関する調査」調査概要
調査期間 :2016年5月13日~5月22日
調査方法 :在留外国人パネルを用いたインターネット調査
調査対象 :在留外国人(日本国内の居住地:全国を対象)
男女20~59歳
対象の出身国で生まれ、3歳までその出身地に住んでいた人
夏(6月~9月)の間、日本で生活をしたことがある人
サンプル数:n=200
以下の4地域でn=50ずつ均等割付で回収。国別割付はしていない。
・熱帯地域:シンガポール、タイ、インドネシア
・乾燥地域:エジプト、サウジアラビア
・温帯地域:イギリス、フランス、香港、(台湾)
・冷帯地域:ロシア、カナダ

■調査結果サマリー
◇外国出身者の8割が『日本の夏は母国より過ごしにくい』と回答!
◇熱帯地域出身者でも6割が『日本の夏は母国より過ごしにくい』と回答。
◇日本の夏の過ごしにくさは『高温多湿』な気候が原因!?

※本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【 「熱中症ゼロヘ」プロジェクト調べ】とご明記ください。

■調査結果詳細
◇外国出身者の8割が『日本の夏は母国より過ごしにくい』と回答!
「日本の夏の過ごしやすさは、母国の夏と比べてどうですか? 」という質問に対して、「母国よりも過ごしにくい」、「母国と同じくらい過ごしにくい」と回答した人が全体の79 %にのぼり、約8割の外国出身者が、日本の夏に過ごしにくさを感じていることが判明しました。
母国よりも過ごしやすいと感じている人はわずか10.5%と、非常に少ない結果となりました。

Q.日本の夏の過ごしやすさは、母国の夏と比べてどうですか?

◇熱帯地域出身者でも6割が『日本の夏は母国より過ごしにくい』と回答。
日本の夏の過ごしやすさについてのアンケート結果を、回答者の出身地別に見てみると下のグラフのような結果になりました。シンガポール・タイ・インドネシアなど、暑さに慣れているイメージがある熱帯地域の出身者でも、60 %もの人が「日本の夏の方が母国よりも過ごしにくい」と感じていることが分かります。

Q.日本の夏の過ごしやすさは、母国の夏と比べてどうですか?

 

 

◇日本の夏の過ごしにくさは『高温多湿』な気候が原因!?
79%の外国出身者が日本の夏について「母国より高温多湿」、「母国より低温だが、湿度が高い」、「母国と温度は同じくらいだが、湿度が高い」と回答しました。日本の夏は、ただ気温が高いだけでなく、非常に湿度が高いと感じている外国出身者が多いようです。
また、調査結果を出身地域別に見てみると、イギリス・フランス・香港などの温帯地域出身者や、ロシア・カナダなどの冷帯地域出身者において、日本の夏を高温多湿であると感じている傾向が顕著にみられます。

Q.母国と比べて、日本の夏の温度と湿度はどうですか?

■「熱中症ゼロへ」プロジェクトからのコメント
世界の気候区分において、北海道や東北北部は冷帯地域、それ以外の地域は温帯地域という中間的な区分に位置します。特に東京を含む温帯地域に属する地域は、中間的と言いながらも「夏は熱帯並みの暑さ」と「冬は雪が降ることもある寒さ」を両方の併せ持つ気候です。実際に、夏の気温や湿度の高さを各気候帯に属する都市と東京とで比較すると、東京はシンガポールと同様かそれ以上の値を示しています。夏の東京では、熱帯地域と同様の暑さ対策が必要です。

各都市の相対湿度・日最高気温(月別平均)
※東京は気象庁より、東京以外の都市はWeatherbaseより

日本の夏は「熱中症」への注意が欠かせません。熱中症にかかってしまう原因のひとつに、うまく汗をかけないなど、さまざまな理由で体温調整ができなくなる現象があります。汗を出す汗腺の数は、人種による違いよりも、幼少期に体験した気候に依存するという先行研究があります#。今回、幼少期に住んでいた国別の結果において、気候帯によって日本の暑さの感じ方に大きな差があることが分かりました。
# Kuno, Y. (1956): Human perspiration. Charles C Thomas Publisher Ltd. Springfield (USA).

約50%の人が熱中症を気にしはじめる温度を比較すると、熱帯地域と乾燥地域の出身者は35℃以上、温帯地域と冷帯地域の出身者は30℃以上と若干の違いが見られました。これは、育った国の慣習によるものと、身体の感じ方の違いによるものの、2つの理由があると考えられます。夏の暑さが厳しい地域の出身者は、そうでない地域の出身者に比べて、熱中症を気にしはじめる気温が高いという傾向が分かります。日本の高温多湿な夏を経験したことのない訪日旅行者などへは特に、「日本の夏は高温だけでなく多湿であり、暑さの感じ方や身体へのダメージに影響がある」という点を注意喚起していく必要があります。

「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、過去の日本の気象データに基づいて“倒れるかも予測”を公開していますので、参考にしていただきたいと考えています。
(倒れるかも予測  http://www.netsuzero.jp/heatstroke )

なお、「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、外国出身者の熱中症に関する調査 第二弾も近日公開予定です。