今年良く聞く単語として「インバウンド」と「DMO」は挙げられるかと。
両方共観光業界などで、多く使用される単語ですが「インバウンド」ってコールセンターでよく使用されていた覚えがあります。それがいつの間にか、インバウンド=外国人観光客を指すようになってしまいましたね。(本来は異なると思いますけど)
さて観光業後進国日本としては、インバウンド対応をどこまでするかを決めないといけません。
完全に外国人観光客向けに対応するかどうか、とか
例えばこんなものを目にしました。
「英語の解説書あります!」って日本語で書かれているガイドブックの案内。
でも、こんな例は日本のあちこちに有ります。
みなさんは、自分の住んでいる隣の駅に降りてそこからバスに乗って移動できますか?
また、バスを乗り継いで移動できますか?
出来ない方は何故出来ないのでしょう?
ちなみに私もできません。
「全然わからない」からです。
でも、以前よりも乗るようになりました。GoogleMapなどで検索すると教えてくれるからです。
結局、現地に行ってもわからないのでGoogle先生の言うとおりに乗ります。
さて私達が移動できない、利用できないものを海外から来た観光客の方が利用するでしょうか?
ちなみにこの例を解決したのがニセコの例です。
ニセコはうちのスタッフが手がけた事例です。
全部はご紹介できないので、ここでは一部のみご紹介
来街者に対してシンプルでわかりやすく。
「すべての道に名前をつけた」
「バス停留所と路線図に色と数字をつけて、視覚的にわかりやすく」
インバウンドという名前に踊らされ、全部英語を日本語にすればいいだけではなく
「誰に来て欲しいのか」「来た時に何を体験してもらいたいのか」「土地を知らない来街者が1人で行動できるのか?」等々
マーケティング視点をもった広域観光施策を考えるのが「DMO」なのです。
そして、その実績を持った会社は多くありません。
巷にあふれるインバウンド施策成功事例、本当に成功してますかね?
出来るという会社に一度仮説の提示をしてみたら如何でしょうか?
2020年に訪日4000万人へ、政府がビジョン策定
政府は3月30日、今後の観光施策の構想「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定した。訪日外国人旅行者数を2020年に昨年の約2倍の4千万人、30年に6千万人とする目標を設定。日本人の国内旅行に関しても、消費額を20年に過去5年平均比約5%増の21兆円、30年に同約10%増の22兆円とする目標を掲げた。観光を国の成長戦略、地方創生の柱として、文化財などの地域資源の活用、宿泊業をはじめとする観光産業の経営革新などを促す。
昨年11月に安倍晋三首相を議長として発足した「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が、民間の有識者の意見を聞いた上で策定。15年の訪日外国人旅行者数が1974万人となり、目標としていた2千万人に近い水準に達したことから、中長期の目標などを見直した。
観光ビジョンでは、観光を「地方創生への切り札、GDP600兆円達成への成長戦略の柱」と改めて位置づけた。「国を挙げて、観光を基幹産業へと成長させ、『観光先進国』という新たな挑戦に踏み切る覚悟が必要」と強調した。
観光先進国への目標数値として外国人旅行者数、日本人国内旅行消費額のほか、外国人の旅行消費額を20年に昨年の2倍超の8兆円(30年に15兆円)、地方部の外国人延べ宿泊者数を20年に昨年の約3倍弱の7千万人泊(30年に1億3千万人泊)などを設定した。
目標を達成するための施策の方向性として「3つの視点」を掲げ、その下に「改革」を必要とする施策を挙げた。
視点の一つ目のテーマは「観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に」。文化財政策の保存優先から活用への転換、国立公園のブランド化、景観の魅力向上などの改革を進める。文化財の活用では、文化財を核とする観光拠点200カ所を整備。景観では、全都道府県、全国半数の市区町村に「景観計画」の策定を促し、魅力向上への取り組みを支援する。
二つ目は「観光産業を革新し、国際競争力を高め、わが国の基幹産業に」。観光産業の生産性向上、インバウンドの市場開拓、温泉街や地方都市の活性化などの改革を推進。産業施策は、経営革新に意欲的な宿泊事業者への支援、宿泊業の人材育成カリキュラムの創設など。インバウンドでは欧米などの富裕層を誘客するほか、中国、フィリピン、ベトナム、インド、ロシアを対象に戦略的に査証(ビザ)を緩和。地域活性化は、ファンドの組成やDMO(観光地域マネジメント/マーケティング組織)の育成など、民間の力を引き出して進める。
三つ目は「すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に」。JRグループの外国人観光客向けフリーパス「ジャパン・レールパス」の日本到着後の購入を可能にする実証実験、外国人が訪れる観光スポットのキャッシュレスな決済環境の整備、Wi—Fiなどの通信環境の向上に取り組む。日本人の国内旅行環境では、20年までに有給休暇取得率を70%に引き上げるなどして観光需要を喚起する。
このほか、観光産業を基幹産業にする二つ目の視点の中に、観光施策の財源の検討、人材の育成強化を掲げた。観光施策の財源では「国の追加的財源を確保するため、他の観光先進国を参考に、受益者負担による財源確保を検討」。人材育成では「20年までにトップレベルの経営人材の恒常的な育成拠点を大学院段階に形成」と盛り込んだ。