働くママが言われて傷つく男女差別がなくならないと感じる言葉とは?
女性の活躍を望んでいるはずの日本の評価
男女雇用機会均等法が執行されて、今年でちょうど30年になります。
最近では、国をあげて女性の活躍を推進しようとするニュースを、毎日のように目にするようになりました。
なのに、、、です。
イギリスの新聞『The Economist』が独自調査で発表している「働く女性にとって有利な先進国ランキング」によると、日本はワースト2位という不名誉な地位を維持しています。
なぜ?
信用を失う恐怖から言わなかった出産
私自身、男の子を二人産み、育てました。
長男が生まれた後に会社を立ち上げ、次男を産んだ時は、出産直後に病室に社員を呼びつけて仕事をしていました。
その頃、仕事をしている中で言われたくなかった言葉は
「女性はこれだから困る」
次男出産のとき、この言葉を言われたくない気持ちが強すぎて、取引先に妊娠したことも出産したことも言わないまま仕事をしていました。
忙しいと言って、打ち合わせは電話とメールですませたので、誰にもバレルことなく無事に出産。
でも、そんなことするから、出産直後に病室で仕事をしなくてはいけなかったわけです。
男と女の違い
男女平等といくら言ったところで、男と女は、腕力は違うし体の大きさも違います。
そして、何より、女は子供を産むことが出来て、母乳で子供に栄養を与えることが出来ます。
育児休暇をパパが取れるようになったところで、パパから母乳はでないわけで。。。
子供は本能的に、ママを求めます。
つわりが酷ければ仕事を休む日は増えますし、産後の経過が悪ければ、やはり仕事を休む期間は長くなります。
雇う側の立場の人であれば、男女とかの問題ではなく、休まない可能性が高い人に責任ある仕事を任せたくなるのが普通の考え方なのではないでしょうか?
また、雇われる側も、自分が休むかもしれないときに責任ある仕事を任されて嬉しい人などいるのでしょうか?
と、私は、元々、体が男女平等でないのだから、男女平等にしようとすること事態に、無理があるのではないかと考えてしまうのです。
働き続けなければいけないのか?
日本の政策は、女性が働き続けられる環境つくりに力を注いでいるように感じされます。
でも、男性も女性も、女性が働き続けることを心から望んでいる人は、どのくらいいるのでしょうか?
たとえば、これらの政策を決めている、国会議員の奥様方の離職率はどのくらいなのだろうか?と考えてしまいます。
自分が望まないことを推進する人たちの気持ちが、私には、わからないのです。
男尊女卑や亭主関白の文化のある日本において、男性が女性を守り養うという気持ちが、今も日本人の心の奥に刻まれているのではないでしょうか?
だとしたら、本当は、女性は一度仕事を辞めて家庭に入り子育てをして、また、復帰できる仕組みを作るほうが現実的なのではないでしょうか?
私自身、はじめに作った会社を潰す決断をして、子育てに10年ほど専念したあと、性懲りもなく現在の会社を立ち上げました。
子育てと仕事の両立で辛かった事
一番は、子供を置いて出るときに、子供に泣かれることでした。
「ママ、行かないで」
「すぐ帰ってくる?」
「一緒に行く」
こんな言葉を言われて家を出るときは、後ろめたさでいっぱいでした。
仕事を辞めて、子育てに専念しているとき、私はテニスに明け暮れていたのですが、その時に子供から言われたこの言葉も印象的でした。
「ママがテニスの人で本当によかった。」
「だって、僕がお家に帰ってくる時間にはママはいつもお家にいてくれるから」
命の源であり、生命維持装置でもあった母親の存在は、子供にとって父親の存在と同じであるわけがないと、私は思っています。
働くママに言ってほしくない言葉
最近、仕事をしていて感じることは、昔よりも男性が認めてくれることが多くなったということ。女性だからといって、使えないと決め付けず、平等な目で見てくれる人が増えている強く感じます。実力さえあれば、女性も責任ある仕事を任せてもらえる時代がきたことを嬉しく思います。
だけど、今でも、男女差別の極みと感じる言葉があります。
皆、悪気なく言っているのわかっているので、私はいつもスルーしていますが、小さなお子さんがいるママなら、その言葉を言われるたびに、傷ついているんだろうなあ。と感じる言葉。
その言葉は
「お子さん大丈夫なんですか?」
毎日残業していたとしても、この言葉を言われた経験のある男性っているのでしょうか?
働くママなら、言われたことのある方が多いのでは?
子供が大きくなった今でも、時々、この言葉を言われますが、子供が小さかった頃は何度この言葉を言われたかわかりません。
「お子さん大丈夫なんですか?」
この言葉を言われるたびに
「母親が子供を置いて外で何をしているんだ!」
「子供がかわいそうじゃないか!」
そんな風に責められている気がしました。
「行かないで」と、寂しそうな顔の子供を置いて仕事に出ているママが、子供に対して後ろめたさを感じていないわけがない。
聞かれる方は、そんなこと考えてないと思うのですが、この言葉が、特に子供が小さいときは、心にグサグサと刺さりました。
「お子さん大丈夫なんですか?」
この質問を働く女性だけがされている限り、心の中の男女差別は、なくなることはないと私は思っています。
女性の活躍とママが傷つかない働き方
女性の活躍を望まれる世の中ですが、男性と同じじゃなくても良いのではないでしょうか?女性が望む働き方は家庭環境やさまざま事情によって、許されることも望まれることも違います。また、人によって、ストレスに感じることも違うわけですから、10人10色の選択肢があれば良いと思います。働き続けることだけが着目されている昨今ですが、それを望んでいない人も多くいるのが現状です。ただ、残念なことに、今はまだ、この選択肢が確立されていない。働き続けたい女性も、一度辞めてまた働きたい女性も、働きたくないけど何かしたい女性も、それぞれが、自分の経験と持ち味を活かして社会に参加、貢献できるような、そんな仕組みが作れたとしたら、日本は女性の働きやすい国になれるのではないでしょうか?