少子高齢化という言葉を聞いたことがないという人は殆どいないだろう。さらに、都会よりも地方の方がその傾向が高いということは言うまでもないことだろう。国の地域おこし協力隊事業などで都市部の若者に一時的に地方に移住してもらうということをしているが、その定着率は47%と前回の調査よりも下がることとなったいる。その理由としては、就業先の不足が挙げられている。その問題を解決するためにも総務省は任期を終えた隊員の起業を後押しするためのクラウドファンディング事業を開始した。総務省はクラウドファンディングで起業資金を募るポータルサイト「地域おこし協力隊クラウドファンディング」を立ち上げた。就職先がなければ自分たちで作るという考え方だ。しかし起業するには資金が必要不可欠である。そのためのこの度のクラウドファンディングである。総務省としては、若者に地方で起業して定住してもらうことで活性化を促したいという考えのようだ。
隊員への寄付はふるさと納税の形で行われ、寄付金の全額がそのプロジェクトに使用されるということだ。そして寄付をした人は、ふるさと納税と同じ仕組みで寄付金控除を受けることが出来る。なんでもかんでも起業するなら資金を募るのではなく、資金を募る事業は各自治体が公益性などを判断して決めるようになっている。
しかし、これにはまだ問題があるのではないだろうか。
まずこの資金だけで経営していけるほどの利益が見込めるのかという問題がある。店を経営するにも会社を経営するにも人件費や設備費などの多額のお金がかかる事は誰もが分かることだろう。そのお金を安定して得ることが出来なければ、すぐに首が回らなくなるだろう。その結果として倒産などしてしまっては定住どころではないだろう。
そして自治体がプロジェクトを判断するということであるが、自治体にいる人は今までに何かの経営や起業などをしたプロであって、その判断は間違いのないことなのだろうか。勿論違うだろう。もしくは何かの基準があるのだろうか。それならば、専門的にやっているものからのアドバイスなどを求めるべきだろう。
呼びたいのは若者であるはずなのに、最初に資金の提供だけして、後は自分の力で頑張ってくださいと言われても経営のやり方などを分かっている若者など少数であるだろうし、わかっていても必ず成功するとは限らないのだ。国税庁が調査した「中小企業が設立から倒産するまでの期間」をまとめたデータ=会社生存率は10年以内に倒産する確率が90%を超えているという結果を出しています。この経営者には何回も起業している熟練の人もいるだろうが、この確率なのである。このプロジェクトで起業したものも10年後に残っているのだろうか。
このようにいくつかの問題点を抱えている。次回、仮説提案に続く!!!!